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ヴァルティオキュラ基礎学校(3/15)

ヘルシンキ市東部にあるこの学校は、ごくごく普通の公立小学校。児童数380名、教員数25名、授業助手3名。重点教科は、算数と環境(日本でいうと、総合的な学習というよりは理科にあたるようだ)
Marianne Ropponen校長(写真1)が、ずっと対応してくれる。学校教育方針などについて、副校長をまじえて、説明してくれた後、3時間の授業を参観する。
まず、1年生の国語Viewingの授業。途中までは文章のみで、途中からは挿絵だけの教材文を読み、イメージをふくらませながら読み取っていく(写真2、3)。挿絵だけで言葉を紡いでいく学習活動は、日本の国語は1年生の最初に出てくる。しかし、段階的に何度もこういう形が出てくるようだ。教師のなげかけがHowやWhyが多く、子どもたちに意見をひっきりなしに求めていた。
2年生の授業は「キバプログラム」といういわゆる道徳のような授業。いじめに対するプログラムで、「1人や2人ではいじめは起こりにくいが、まわりにいる友だちの態度がいじめを増幅する」といったテーマ(写真4、5)。なかなか難しい。
給食をいただくこともできた(写真6)。ビュッフェ形式でラザニアと野菜サラダ。自分の食べれる分だけ自分でとる。牛乳は飲み放題。
そういえば、各教室には、天釣りのプロジェクターと実物投影機が配備されていた。画像を大うつしにするというオーソドックスな使い方だが、あたりまえに授業で使っていた(写真7)。また、この学校では、今は1台しか入っていないが(写真8)、ヘルシンキ市の2012年までに全校に電子黒板(プロジェクター投影型)を導入するという方針に先立って、来年度には全教室への電子黒板の配備を終わらせる、という。また、WSOI社という大手の教科書会社のデジタル教科書を活用していた。日本とちがうところは、Webにアクセスして使うようになっていること。また、一斉指導に使うだけでなく、児童が家に帰ってからも使う事ができる。年間児童一人あたり3ユーロを使用料として払っている、という。
ちょうど、校内を見てまわっていた時に、4年生の図工の授業に遭遇。木のペンケースを制作中だったが、電気ドリルなどをあたりまえに使っていてびっくり(写真9)。まるで日本の中学校の技術の授業みたいだった。
いろいろと話題になることの多いフィンランドの教育だが、特にこの学校では特別なことをやっている感じはなかった。しかし、教材研究や指導法の検討など、あたりまえのことをしっかりと地道にやっていることが、かえって目についた。

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コメント (1)

匿名:

当たり前のことを当たり前にやっているということ。
私が行って見たときの印象もまさにそうでした。
そして、それができる環境が整っていることが、大きな驚きでした。率直にいいなあって思いましたね。

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2010年03月16日 16:13に投稿されたエントリーのページです。

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