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2006年04月 アーカイブ

2006年04月12日

第六十六話:ワンセグがおもしろい!

とうとう新年度がはじまった。

大学の授業開始は明日からだが、すでにいろいろとはじまっている。

今年度はまちがいなく、自分にとっては「耕し」の一年になると思う。



さて、3月の末に、ワンセグ対応のケータイを購入した。これがおもしろい。

ワンセグに対応している、というのは、地上デジタル放送がケータイで見ることができるということだ。地上デジタル放送は6MHzの帯域を1つのチャンネルに割り当て、13のセグメントに分割されて放送される。そのうちの1セグメント(ワンセグ)を利用してケータイ向けに放送サービスを行っているのだ。

横浜の自宅最寄り駅から羽田空港まで動いている電車の中でも鮮明にテレビ放送を見ることができる。地上デジタル放送なので、画面が小さくても、画面の下の方で、番組の情報を得たり、こちらから送信したりすることもできる。また、ケータイの機能にもよるが、大事なシーンを一時保存したり、録画&画面キャプチャーもとることができる。

うまく進めば、校務や授業の準備を行きや帰りの電車の中でできるようになるのではないか。そんな可能性をいろいろ感じさせるワンセグ対応ケータイの登場だ。




2006年04月13日

第六十七話:情報活用の実践力の積みあげを考える

 金沢は今が桜満開だ(※写真参照。地元の人、どれがどこだかわかる?)。市内は至るところで桜が咲いていて、この時期は車で走り回るのが楽しい。今週いっぱいくらいは散らないだろうから、誰か仕事で来る人いない?



 多くの学校の授業研究アドバイスに入ってみると,子どもたちが自分のテーマをもって、課題を解決しようとしたときに,情報活用の実践力,いわゆる「つかむ、調べる、まとめる、伝えあう」ことに関する力が十分に育っていないことが目につく。生活科や総合、他教科のカリキュラムをにらみ、情報活用の実践力が育つ活動場面の「縦のつながり」を意識しながら、積みあげを検討していく必要があるのだ。以下に、総合的な学習の情報教育の基礎・基本を問われたある雑誌に書いた一部を紹介する。

 たとえば、伝える力で考えてみよう。6年生になって相手に応じて効果的な伝え方でわかりやすく伝えることができるようになるために、4年生でコンピュータでプレゼンソフトを使って発表する機会をもつとか、低学年では近くの人(先生とかクラスの友だち)に自分の思いを伝える場が充分用意されている、というように。つまり、「誰に伝えるか」という対象を徐々に広げていったり、どのような方法で発表するかというバリエーションが増えていったりするようなカリキュラムになっていることが重要だ。

 伝えあうことがより高まる要素として、

 ・伝えたくなるような内容である(課題の切実感)

 ・伝えあいやすい雰囲気である(学級経営など)

 ・伝えあえる基本スキルが育っている(教科や総合でねらうもの)

 ・伝えあえる応用スキルが育っている(場数)

の4つをあげることができる。これらが、それぞれの学年の教科学習や総合に位置づけ、しかけていくことが重要なのである。つまり、これらを意識しながら、

 ・何を(内容)

 ・誰に(対象)

 ・どのように(道具)

 ・どんな形態で

 ・どんなシチュエーションで(場の経験)

について、広がったり深まったりするように活動に埋め込んでいくわけである。



 特に総合では、この育ちがなかなか校内で共通理解がもてず、結局、表面的な毎年のお決まりの学習活動に終始することになる。研究リーダーであれば、再点検をおすすめする。




2006年04月17日

第六十八話:教育用ソフト開発プロジェクト

横浜の高台の自宅から見えるところに関東学院大学釜利谷キャンパスがある。

そこに、数年前まで金沢大学教育学部で同僚だった大澤善信先生が異動されていらっしゃるので、久しぶりに会いに行ってきた。何か金沢におられたときよりも血色(?)が良くなっている気がした。いつも学生の方を向いている教育者で、魅力的な研究者なので、またどこかで一緒に仕事がしたいと思った。



某社との教育ソフト開発に関する共同研究プロジェクトがスタートした。主査である私を入れて研究者3人、精鋭の実践者4人に加え、某社からは社長もこのプロジェクトメンバーとして参加されている。さらに営業だけでなく開発からも中心メンバーが参加。その意気込みを充分に感じることができた。

現在、教育ソフトは大変苦しい状況だ。なかなか売れないし、そこそこ売れていたとしても、ごく一部の教師にしか使われない。そのソフトが校内にあることすら知らない教師も少なくないと思う。そんな中、これまでの資産をリセットしてでも、多くの教師に使われるようなより良質のソフト開発にゴーサインを出したことに敬意を表したい。それとともに、責任も重い。がんばろうと思う。今日の会議では、忌憚のない意見でまたく時間がたりなかった。それだけそれぞれの立場で思いもあるし、現状分析もある程度行ってきた。開発が落ち着いたら、それに付随する教材パッケージ作成や研修方法の検討、公開研究会の実施までプロジェクトで議論していく予定だ。

2006年04月25日

第六十九話:実践研究論文構想指導の会

先週の土曜日に、実践センターで「実践研究論文構想指導の会」があった。今回からはセンター主催行事として、学部教員を通じて、公開とした。



構想発表を行ったのは、16人に及んだ。センターの部屋がいっぱいになるほど、全国から集まった参観者も多かった。講師は、これで3年目になる藤村さん@鳴門教育大、林さん@椙山女学園大学に加え、村井さん@金沢星稜大学、それにセンターの加藤君だ。講師からは16人それぞれに、するどい指摘が容赦なくとんでいた。

さらに私の方からは、「どうする5つの課題」として、

課題1:研究の目的と実践やプロジェクトの目的をごっちゃにしてしまう

課題2:研究で明らかにすることをタイトルにたてられない

課題3:内容を「てんこもり」しすぎ

課題4:研究の方法のケタが大きすぎる

課題5:言葉にゆらぎがある

の5つを指摘した。

講師の4人からは、構想をたてる手順やてんこもりにならない工夫など、ポイントをおさえたアドバイスが続いた。



特に、自分の実践や学校をフィールドにする場合は、実践がはじまってからでは、もう遅い。いかに構想をしっかりたて、どんな準備が必要か、どんなデータをどのようにとるべきか、充分に「今」計画をたてておくことが重要だ。そうじゃなければ、明らかになることがぼんやりしてしまう。

もちろん、実践者は研究をすることが目的ではない。しかし、実践を研究として考えてみることで、実践を対象化してみることができる。そういう「筋肉」を鍛えることが自分の実践をみつめなおすのにも必要だと思う。



構想発表はまさにここからがスタートだ。まもなく、「ところでどう進めている?メール」を16人に出すことにしよう。

それにしても、この時期に身銭をきって参加した人たちに敬意を表する。きっと実践にもプラスにしていくはずだ。



それにしても学生はよく働く。こういう会の運営は3を言えば、自分達で考えきちんと10こなしてくれる。だんだんセンターイズムが浸透してきた感じがすることがとてもうれしい。

2006年04月28日

第七十話:教育ブログ活用入門本が出るぞ!

教育において、ブログの活用例の報告が聞かれるようになってきた。

学校の情報公開・説明責任が叫ばれている中、手軽に開設でき、更新も簡単であるブログの活用で、教師の情報発信能力を高めることができ、同時に、保護者や地域などの第三者との交流も図れるという利点を含むのがブログは、今後も活用する、また活用してみたいという教師が増えるであろう。

そこで、パソコンに苦手意識をもつ教員にも分かりやすくブログを解説し、教育現場でどのような活用ができ、どのような成果が得られるのか、何に留意すれば良いのかについての指南書を明治図書から世に出す。

参考になる事例はもちろん満載だ。これからはじめようとしている人、はじめたけど先進的にやっている人の事例を参考にしたい人は必見。



明治図書のサイトから予約申し込みができる。ここから



主な目次は以下の通り。

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はじめに〜ブログをはじめませんか?〜



1 ブログで情報発信!の予備知識

1)ブログを使った教育情報の発信はここが違う!

2)こんな問題にどう対応するの?学校におけるブログ留意点



2 とにかく開設!ブログの作り方



3 どんなブログがあるの?全国における教育ブログ先駆的事例

事例1 授業でブログを使う

○わたしたちとユニバーサルデザイン

○デジタルポートフォリオそして学習交流サイトとしての活用

○ネット上での人と人とのつきあい方を学ぶ

○weblog(ブログ)を使った情報の発信・交流

事例2 学級通信としてブログを使う

○学級通信の補助として

○紙面の学級通信を補うブログ

事例3 学校通信としてブログを使う

○幼稚園におけるblog活用

○学校の「今」を伝える校長ブログ

○学校ブログで毎日が授業参観

○ブログで楽々!学校ホームページ毎日更新

事例4 教育関係者のブログ実践

○教育用ブログの開発

○教育実践ポートフォリオで自分を磨こう

○教員研修の場としての活用

○教育プロジェクトでのブログ活用

○教育活用の一環としての水族館長からのブログ



4 なんでもわかるブログQ&A



コラム豆知識:ブログにおける用語解説

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