最近の著書

共同研究・
プロジェクトの成果

« 2004年10月 | メイン | 2011年01月 »

2004年11月 アーカイブ

2004年11月04日

第十七話:IPテレビ電話研究会発足

先週の金曜日は上和田小の授業公開研究会。「つくれ!子ども世界」をテーマに教師集団が一丸となってとてもすばらしい研究会だった。その後の懇親会もとても楽しかった。土曜日は、息子が通っていた小学校の地域ボランティア。息子はもう卒業したが、さんざんお世話になった学校だ。謝礼はカレーの給食お替わり付き。

今週前半は、実践センター卒論・修論・内留の中間発表(※次号で紹介予定)、およびお疲れさま会&センターへの所属が決定した新2年生の歓迎会。学研NEWの新年号の特集対談取材。堀田さんと。ちがうようで同じ、同じようでちがう堀田さんとの対談はエキサイティングでおもしろい。



さて、今回の話題は、IPテレビ電話研究会発足の話。三田隆治さん(IT・携帯ジャーナリスト)、進藤晶子さん(フリーキャスター、元TBSアナウンサー)、矢野貴久子さん(カフェグローブ・ドットコム代表取締役)と私の4人が中核メンバーの研究会だ。記者会見を行った。東京駅前の丸ビル1階のカフェで行ったということもあり、華やかだった。

NTTのCMなどを見ていると、カメラつき携帯の次のトレンドはお財布携帯のようだが、私はテレビ電話機能ではないかと見ている。さらに、教育の世界でも私のまわりにいる教師はあたりまえのようにテレビ電話あるいはテレビ会議システムを授業で活用している人が多い。

ただ、一般的にはまだまだこれからだろう。そういう意味でさまざまな分野の人間がそれぞれの視点でIPテレビ電話にかかわらずテレビ電話そのものについていろいろと検討していこうという研究会だ。かなり期間限定になると思うが、3人の視点は示唆に富んでいるので、教育活用の参考になるではないかと期待している。

サイトは、

www.tvphone.jp

だ。一度ご覧になってほしい。

2004年11月07日

第十八話:卒論・修論・内留報告の中間発表

週末は高知へ放送教育四国大会。コンテンツや番組活用についてのたくさんの方向性を示してくれたのではないかと思う。特に野村さんの授業は総合でありながら、また動画制作でありながら、うしろにきっちりと国語のとりくみがみえた。今後の情報教育の実践研究に対して示唆にとむ授業だったと思う。

前日は最終便で高知に入り、さっそく餃子の屋台へ。「まっちゃん」がいっぱいでもう1つのお気に入りの「安兵衛」へ。うまいっ!!

岡校長はじめ、土佐の市原さん、次の日授業の野村さんもかけつけてくれた。そして金沢から参加のちのちゃんと高知の大学にかよっている妹のまいちゃんも合流。楽しいひととき(写真提供:ちのちゃん)。



---



さて、11/1に行われた卒論・修論・内留報告の中間発表。



田口「デジタルコンテンツの効果的活用法の検証」

だいぶすっきりしてきたが、目的のケタをもっと落とすことが大事。

野畑「学校教育における携帯電話の活用考察」

抽出した実践校(白江級)でのデータどりは順調。しかし実践校に着目する意図は何か?まだ明確になっていない。

山根「小学校英語教育に関する一考察」

ニーズの高いテーマ。しかし野畑同様、なぜ、この研究に実践校(清水級)だけをとりあげるのか?明確にする必要あり。

飯田さん「身近な自然から考える環境学習のための教材開発」

大変意義のある取り組み。あとは中心を明確にすること。中心が「学習支援のためのコンテンツの作成」だとすると、そのプランや意図が作成にどう関連したのか、今後、どういう評価項目を作成するのかを明らかにすることが重要。

長井さん「学びを深める総合的な学習の時間」

来年の実践への熱意が感じられる。「地域貢献型学習」は従来の総合の取り口とどうちがうのか?ここが目的にも考察・結論にもからんでくる。

西さん「進路意識を育む授業についての考察」

こういう取り組みは中学校で特に重要である。問題意識がクリアであることが評価できる。しかし、研究の落とし所としてどこにあるのか?教師のものさしがまだわからない。

小林「教師の信念に基づく授業ストラテジーの関係性の解明」

論文としては完成度がかなり高い。しかし、コーディネーション方策のマトリックスができたプロセスをもっと説明する必要がある。

竹内「情報活用能力を埋め込んだ国語科授業における教師の手だてと配慮に関する分析」

今後教師にとっても考えなければならない大事なテーマ。論文としては、分析の結果(特に大事にしていた手だてや配慮)は国語科の中のねらい、指導書の記述とウェイトとしてどうちがうのか、まだ不明確だ。



最後に全体として、

○まだ説明不足であること

 →目的と考察、目的→考察を再検討せよ

 →のりしろ(ストーリー)を明確に

  パーツはそろっているんだけど、それを活かしていない

  積み上げが不十分

○そろそろいつも論文の完成を考えよ

 →中間発表が終わってそのままほっておく時期ではない

ことを全員への課題として話す。



ここにきて、ちょっと差がせばまりつつある。地道にがんばる者は強いんだよ。




2004年11月18日

第十九話:全日本教育工学研究協議会終わる

11月13日、14日と東京工科大学で全日本教育工学研究協議会が行われた。

前日の「発表決起懇親会」は、60名の参加。発表者がたくさんいるのに大宴会になってしまった。関東の地で60名もの場所のきりもりをしてくれた小林、ちのちゃんはじめ学生、飯田さん、西さんの内留組に感謝。

共同発表や関連発表は全部で26本。内容は下記の通り。(写真2,7:石倉さん@鳥取提供、写真4:石井さん@徳島提供、写真1,5,6,8:田中さん@長崎提供、写真3:田口提供。写真9:中野さん@石川提供)



・低学年国語の「書くこと」領域における構造化の効果〜ウェビングを活用して〜(有田さん)

・小学校高学年児童の文書による情報伝達能力の評価についての研究〜200字お手紙日記の分析〜(石倉さん)

・情報活用能力を埋め込んだ国語科授業における教師の配慮〜情報教育的視点を持つ教師の実践を通して〜(ちのちゃん)

・学級日誌型ソフトウェアの利用における書き表す力の分析(辻さん)

・ルーブリックを作成・活用した自己評価を行う際の留意点の検証(中野さん)

・携帯電話を小学校の教育活動に活用した教師の配慮に関する研究(小林)

・NHK学校放送番組の活用における一考察〜高学年社会科学習に番組を取り入れる場面や学習形態の工夫〜(白江さん)

・新時代の授業を創る「デジタル教科書」の開発について〜「国語の力」を育むIT活用について〜(馬場さん、石田さん)

・「連画:絵のリレー」に取り組む教師と子どもたちの意識のズレの分析〜教師の支援のあり方を明らかにするために〜(佐藤さん)

・教育用コンテンツを活用したe-learning教員研修システムの開発とその評価(高橋さん)

・本時の学習過程におけるNHKデジタル教材の利用方法に関する研究(村井さん)

・デジタルコンテンツ活用授業の効果についての事例研究(森本さん)

・交流目的に応じたメディア環境に関する一考察〜D-project学社産連携ユネスコ・世界寺子屋運動リーフレット制作〜(水谷さん)

・携帯電話の多地点テレビ電話接続による遠隔授業の試み(山本さん)

・国際交流に必要なコンテンツと情報発進力の育成(清水さん)

・教育用デジタルコンテンツの開発及び普及(大谷さん)

・全国の教室にデジタル教材を普及させるためのパッケージの開発〜先進的な理科教育用デジタルコンテンツを活用して〜(佐和さん)

・デジタル表現を支援する動画編集のコースウェア設計〜授業やワークショップで利用できる動画教材のパッケージ化〜(江守さん、田邊さん)

・e-Learningを核にした実践研究コミュニティの構築〜IT活用授業研究「中川塾」の構想〜(これは私の発表)

・子どもたちの構成力を鍛える動画制作(山下さん)

・授業実践力の向上を目指した「ワークショップ」の成果と課題(豊田さん)

・コーチング・スキルを用いたIT活用推進の研究(岩崎さん)

・携帯電話の教育利用と児童の受容態度についての事例研究(稲垣)

・授業におけるIT活用のために必要な担任教師に対する校内支援〜校内における支援活動の評価より〜(田中さん)

・情報教育支援Webサイトにおけるコンテストの運用とその効果〜相互評価を行う投票システムの活用〜(山中さん)

・授業で役立つマニュアルサイトの開発(前田さん)



こういう場ではじめて発表の人も回数を重ねている人も、最後の最後まで少しでも自分の考えを明確にすべく、細部にこだわり、妥協しないでがんばった。

それぞれに次の宿題もあるが、自分自身をほめてあげてほしい。




2004年11月24日

第二十話:教育フォーラムは教師の学びを拓いたか?

先週の金曜は、エプソン販売の原田取締役が退任の挨拶にわざわざ金沢まで足を運んでくださる。考えてみたら駆け出しの研究者の時に共同研究で声をかけてくださったのが原田さんだった。今の研究フィールドは原田さんと出会ったことで広がった。東茶屋街で一献。今後の原田さんも応援したい。



土曜日は、金沢大学教育学部フォーラム。統括だったので、会の構成、人選、交渉を行う。加藤君もワークショップの調整をがんばっていた。今回は学部のフォーラムとしてははじめて少人数のワークショップ形式を取り入れたので、地元小松市ではさすがに告知をしてもらったが、あとは口コミ。しかしそれでも約130名になった。テーマは「デジタルコンテンツが拓く子どもの学び」。二部構成で、まずは中川参事官の講演。情報教育の現状にとどまらず、デジタルコンテンツの各論にも触れてくださり、後のワークショップに関むすびついた。第二部のワークショップでは、「総合(D-pro)」「国語(光村)」「社会(NHK)」「理科(JST)」の4つの分科会にわかれ、小グループになり深める。発表者、司会者、指定討論者がすばらしく、どの分科会もクォリティの高い議論が行われた。人選にまちがいはなかった。

それにしても、参事官も矢原小松市教育長も最後まで分科会に積極的に加わってくださった。その姿勢に頭が下がる。

今回はたしかに参加者の意識も高く、しかも上記のキャストがピカイチだったので、ワークショップも充実したものになった。しかし、もし初心者が多かったとしても、表面的な気軽さだけでは明日からの授業への意識の変容にはつながらないと思う。デジタルコンテンツにかかわらず、ITの活用が自分の授業にどのようにむすびつき、どんな効果が得られるかについて、「ちょっとした違和感」を持たせられなかったら何も変わらない。カンタンに使えそうなものはその簡単さゆえに、IT初心者教師は、結局わざわざ使わなくても(黒板で紙で教科書で)まにあっているという状況から抜け出ようとはしない。

そうなると、今回のフォーラムのような「ゆさぶり」をかけつつ、気楽さについてはハード・ソフトの選択や学習環境の工夫(手間をはぶけるような)をうまくからめるような校内運営の全体のデザインをする必要があるのだ。




2004年11月30日

第二十一話:メルボルンの小学校訪問記

今週の日曜日からちょうど1週間の日程でオーストラリアのメルボルンに来ている。目的はICCEという学会(小林が発表で連名発表)参加だが、黒上さんのコーディネートで地元の小学校に訪問することができた。

メルボルン郊外のApollo Parkways Primary Schoolで、黒上さん情報によると、25周年を迎えたらしい。1学年3クラスで幼稚園の年長さんにあたる1年生予備クラスから6年生まで児童数760名だの学校だ。低学年は21人まで高学年は24人までにおさえられているらしく、教室内はゆったりとしている。

カリキュラムはプランニング週間というのがあるらしく、その時に年間カリを細かく決めている。専科は音楽、体育、美術、イタリア語、テクノロジー、図書などが配置されている。他はクラス担任が受け持つ。

年度終わりであったため、6年生は「Passport to Year 7」という科目を行っていた。どうもこれは日本の総合的な学習の1つにあたるように思った。「Passport to Year
7」というのは、7年生の先生、つまり、自分が卒業した後の中学1年生の担任の先生に送る自分史のファイルのことで、自分がどんな人間でどんなことを小学校でやってきたかをファイルにまとめる学習だ。ただ、漠然とポートファイルを作成するのではなく、相手が明確であり、とても良い題材だと思えた。



この学校を訪問して特筆すべきことは2つ。

1つは、全クラスの教室にパソコン(それもMac!)が6台ずつ置いてあり、子どもたちは本当に使いたい子が自分の用途に応じて使っていた。それが完全に確立しており、まさに道具としてのパソコンになっていた。これは学校全体で共通理解がきっちりはかられていることと1年生の時からずっと教室にこれだけのパソコンが置かれていることが重要だと思った。

もう1つは、図書室が本を読むだけでなく、学習作業空間になっていること。ちょうど低学年の子が本を読んだ後に、そこで本にまつわる絵を描いていた。図書室には絵を描く道具やハサミ、のりなどが置かれており、いつでも使えるようになっていた。学校建築においてもそうだが、日本の学校ももう少し自由でやわらかい発想が必要だと改めて感じさせられた。



写真1:図書室。こうやって寝ころびながら作業するのもOKだ

写真2:美術室。普通教室もすべてそうだが、教室の上の方から自然光がさしこむ

写真3:廊下もまがりくねっている

写真4:教室のレイアウトは担任と子どもたちによって個性が光る

写真5:「Passport to Year 7」の授業風景。ひねた小学生?が1人写っているぞ

写真6:「Passport to Year 7」のテキスト




About 2004年11月

2004年11月にブログ「ひとりごと」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2004年10月です。

次のアーカイブは2011年01月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.34