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海外出張 アーカイブ

2007年07月24日

ドイツーカナダ訪問記1〜アップグレード〜(6/21)

 今回は6/21−7/2の長丁場の海外出張だった。前半はドイツ(フランクフルト、ミュンヘン)で黒上先生@関西大学と合流。ICTを活用した授業参観のための学校訪問など。後半は、カナダ(バンクーバー)でED-Media2007という国際学会での発表と参加。金沢の調査研究チームと合流する。渡航が3国にわたるため、通常のチケットの購入ではとんでもなく高くなることが判明。ANAの世界一周チケット(スターアライアンス提携の航空会社の飛行機に何度でも乗ることができる。変更も可。ただし、現地滞在日数が10日以上など、いくつかの条件がつく)を使うことに。おかげで、ANAプラチナ会員のアップグレードポイントを利用することができ、ビジネスクラスにアップグレード。座席は広いし、ワインは銘柄指定できるし、食事が一品ずつ出てくるなど、快適ではあるが、追加料金を払って(これが数万ではすまない)までアップグレードする気はないなぁ。
 それにしてもどうしてビジネスクラスはあぁも高いのだろうか?適正価格とはおよそほど遠く、VIP(何がVIPかわからんが)と企業のエライ人専用の席になっている感がある。そういえば国内線も同様のことが言える。私はANA派だが、ANAのスーパーシートは適正価格とは言えないような気がする。座席が確かに広くなり弁当かお菓子が出るものの、4500円のプラスだ。それに比べると、JALの「クラスJ」はプラス1000円で座席が広くなる。これは、妥当なところだ。一般の人の手が出るという点では、うまい商売をしていると思う。国内線も国際線も私のような普通の人間がちょっと贅沢をしたいときにそれが実現できる価格であってほしいと思うけどなぁ。。
 ちなみに、ビジネスクラスだろうがエコノミーだろうが、私はこの海外便での移動が大好きだ。10時間前後の長時間のフライトは誰に聞いてもいやだという。でも、次から次へと仕事がやってくることはない(そのために、出発前1週間は大変だったが)し、日頃縁のない機内映画やDVDを見ることができる。今回は「デジャブ(デンゼル・ワシントン他)」と「ア・グッド・イヤー(ラッセル・クロウ他)」を鑑賞。たまにはいいよね。
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2007年07月28日

ドイツーカナダ訪問記2〜ドイツの学校訪問:リード中等教育学校(6/23)

ドイツに短期在外研修に来ている黒上先生@関西大学がコーディネートしてくれて訪問が実現した。

ドイツの学校は、4年間の小学校を卒業すると、おおまかに3つの選択肢がある。1つがいわゆる進学校であるギムナジウムだ。2つ目が日本でいうと、工業高校、商業高校などにあたる職業訓練を主にしたハープトシューレ。3つ目がその中間コースのレアルシューレ。レアルシュー レの11年生以上は、デュアルシステムになるそうだ。ただ、今回訪問したのはそのどれにもあたらないゲサムトシューレといわれるいわゆる総合校だ。なかなか小学校5年生時に進路を決めきれない生徒(や保護者)もいて、途中からコース変更ができるしくみになっている。ただ、他の2つからギムナジウムへの変更は難しいらしい。生徒数1200人、教員数は80人の学校で、5年生から13年生までが通っている。

黒上先生よると、ドイツの指導要領では、Arbeitslehre(職業)という科目の中に「コンピュータを用いた職業選択(情報検索)」、ドイツ語(いわゆる国語)の中に、「人間,コンピュータ,科学技術」「電子メールのやりとり」「新しいコミュニケーションメディア」「情報検索,コミュニケーションの道具としてのコンピュータ・インターネット」という項目があるそうだ(残念ながら見ることはできなかったが)。
その他の教科の指導要領にもコンピュータという語は英語,数学の中に「指導法」の位置づけで出るという。
ギムナジウムコースに進むと,科目としての「情報とコミュニケーション」(5〜6年)、「情報処理」(11〜13年)がある。もっともこれは、少なくともリード中等教育学校では「ラテン語」「第2外国語(英語以外の外国語)」 「コンピュータ科目」の選択科目になっている。
この学校では、コンピュータサイエンスという科目の授業が各学年で行われている。下の学年では、いわゆるメディアリテラシーのようなことも含んでいる。学年があがるにつれて、プログラミングやネットワークのかなり高度なことまで学習する。高校の内容はどちらかというと日本だと大学の「情報処理演習」というような授業で扱っている内容とレベルのように感じた。
また、5年−10年では、授業内容の習得のためにコンピュータを活用することもあるそうだ。日本同様、若い教員はコンピュータをよく使うという話だった。
コンピュータルームは、3つあり、12台ずつのコンピュータが設置されている。9年〜12年のクラスで主に使用。コンピュータサイエンスは、週に2時間あるようだ。ちょうど日本でいうと、「教科情報」か。

参観した授業は、ギムナジウムコースの10年生17人のコンピュータサイエンスの授業。情報の歴史について各グループで調べてきた内容についてプレゼンをし、ディスカッションを行うというもの。グループは2〜3人にで構成され全部で9グループあった。内容は、電話の歴史やコンピュータの歴史など。プレゼンは原稿を見ながらの子、ギャラリーを見ながらの子など、さまざま。ただ、プレゼンの途中で教師が頻繁に口を(たくさん)はさむのは、日本ではあまり見ないよなぁ。とは言うものの、プレゼン後のディスカッションは、生徒が実に積極的で、発言に切れ目が無いほどだった。(ちなみに、廊下や広場で会った子どもたちは次から次へと声をかけてくる。その積極性にはびっくりした。良い意味で実に子どもらしい。)
プレゼン後、すぐに教師からすべての生徒への評価がくだされる。どうやら毎回、授業終了時に評価があるようだ。驚いたのは、この授業をやっていたのは、実は、この学校の専任教師ではない、ということだ。企業出身で,1年単位で契約を更新している非常勤という扱いらしい。 物理と情報を教えている。

情報というキーワードで一環してカリキュラムが組まれている点は、今後日本で参考にすべきところが多かった。メディアに関する扱いは系統的に埋め込む教科が存在しない日本ではこのへんが課題だ。もっとも、私は前からこれを国語に積極的に取り入れるべきだと主張しているが。

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2008年07月01日

ウィーンに到着(6/30)

ED-Media2008に参加のため、ウィーンに入った。前の日の夜まで福岡だったので、急ぎ荷物を詰めたら忘れモノ続出。現地で探すのもまた楽しみ。
直行便だったため、時間はすんなりといったがそれでも長旅だった。これまで買ったままで見れなかったDVDも機内で見ることができた。
到着後、明日の寺嶋君の発表の検討とあさっての村井さん他のポスター発表の準備の確認をする。その後、福士さん@北海道&中川塾生&3月までウィーン日本人学校の紹介の店に行く。修道院のワイン蔵を改装した店ということで趣があった。
ウィーンは思ったより暑く、ビールはワインを飲み過ぎた(って暑いせいだけじゃないけどね)。
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2008年07月02日

ウィーンちょっと観光と寺嶋君の発表(7/1)

今回、ウィーンには実質3日しか滞在しない。
今日の午前中は唯一の観光に充てられる時間。
シュテファン寺院とシェーンブルン宮殿へ。どちらも歴史が感じられる観光スポット。
市内を眺めることができることでは共通している。天気がよかったので、とても気持ちが良かった。
午後は、共同研究の成果としての寺嶋君@長崎大学の発表。「Development of a Digital Static Image Database System for Classroom Use」というタイトル。昨日の通し練習よりも流れるように発表していた。質問にもそつなく答える。さすが。
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ED-Media2008(7/1−2)

今回の通過は連名発表で4本。外部へのまとまった見学などは今回はあきらめた。

フルペーパー
Development and evaluation of web-based learning material about appropriate use of mobile phones for elementary school pupils
Tadashi Inagaki, Tohoku-gakuin University, Japan; Rin Kotatsu, Sugiyama Jogakuen University, Japan; Hitoshi Nakagawa, National Institute of Multimedia Education, Japan

ブリーフペーパー
Development of a Digital Static Image Database System for Classroom Use
Kosuke Terashima, Nagasaki University, Japan; Hitoshi Nakagawa, National Institute of Multimedia Education, Japan; Yoshiyuki Hirose, EPSON SALES JAPAN CORPRATION, Japan

The Variety of ICT Utilization in Expert Teachers
Tatsuya Horita, National Institute of Multimedia Education, Japan; Hitoshi Nakagawa, National Institute of Multimedia Education, Japan; Haruo Kurokami, Kansai University, Japan

ポスター
A Study about the Learning Effect of Utilizing Liquid Crystal Pen Tablet at the Elementary School
Masuo Murai, Kanazawa Seiryo University, Japan; Hitoshi Nakagawa, National Institute of Multimedia Education, Japan; Miho Kawagishi, Kanazawafushimi High School, Japan; Yuki Kobayashi, Kanazawa City Kosaka Elementary School, Japan; Nobuhito Matsuno, Kanazawa University, Japan; Masayuki Hasegawa, WACOM Corporation, Japan

2008年07月03日

ED-Media2008補足(7/2)

2日に3本の関連発表があった。稲垣君も黒上さんも英語を流暢に話し、すばらしい。
夜は村井さんのポスター発表。昨年に続き、二度目なのでもう手慣れたもの。私はカメラマンに徹した。今年も赤堀先生が応援に来て、熱心に説明に耳を傾けてくださる。ありがたい。遠衛、まっつんの金沢大学コンビも大活躍。タブレットのデモをこなす。
帰りに近くのラーメン屋。カレーラーメンは意外と美味だった。
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2009年03月27日

パース1日目(3/26)

今回は、小学校国語科Viewingの現状調査で5つの学校と2人のWAでのキーパーソン(JanとJulieを入れると4人だな)へのインタビューが目的。短時間で多くのスケジュールが組まれており、残念ながら、ゆっくりする時間はない。

朝の7時半に到着し、チェックインもままならないホテルに荷物だけ置き、午前から1校目の訪問。1校目は、Perth Modern Schoolだ。ここの学校は、2回目の訪問になるが、WA(西オーストラリア州)におけるメディアリテラシー教育の指導的な立場にたつRod Quin先生が現場に復帰して、授業をされるというので、JanとJulieがアレンジしてくれた。この学校は、公立学校でありながら、トップの3%に入る学校で、WAでは公立でありながら唯一試験で入る学校のようだ。成績優秀な子どもには飛び級の制度もある。
授業は、9年生の国語科ViewingとWritingの統合的な授業。主人公のキャラクター分析を行う。1時間の中で、3段階になっていた。Step1では、ある映画の主人公の写真からその人物の特徴を自由に出す。ここでQuin先生は、生徒が写真のどの部分からどのような情報を引き出したか、黒板(というか白板)に書き出させる。Step2では、Charles Dickensの「Uriah Heep」の中の情緒的な一節を抜き出し、朗読。今度は文章から主人公の特徴を発言させる。ここまでを通して、どのようなカテゴリーに着目したかを整理する。Quin先生は、主に6つにまとめられるとしていた。6つとは、「Surroundings(背景・設定)」「Clothing and appearance(服装・見栄え)」「Facial expression(表情)」「Posture(出で立ち)」「Actions(動き)」「Speech-manner and matter(しゃべり方)」のことだ。Step3は、この6つのキーワードを意識しながら、生徒独自の話を創作していく。短時間で見事に物語を作り出していく生徒の能力の高さに驚いた。Janによると、Quin先生は、Viewingだけを押し進めるのではなく、他の領域(日本でいう国語三領域)に徐々におりまぜていくアプローチをとっているという。このことにより、多くの教師への抵抗感を軽減するということだ。そういう意味(国語科におけるViewing領域に抵抗を感じること)では、日本もWAも変わらないのかもしれない。

2校目は、St Hilda's Anglican School for Girls Junior Schoolだ。WAでもゆびおりの私立校で最近小学部だけ移転をして校舎が新しくなったようだ。お会いしたのは、Robin McKean先生で日本でいう図書館司書のような存在だが、Depty Head Curriculumという肩書きをもつ。リソースマネージメントを主な仕事とされており、特に、教員の国語科のViewing領域の教材提供や授業アドバイスを行っているようだ。絵本とそれに関連するサイト上のデジタルコンテンツを組み合わせた活用法を提唱されている。基本はコンテンツを途中まで提示した後に、本を読ませ、そこから児童個々の興味にしたがって読書をすすめたり、映像のさらなる視聴をサポートしている。高学年になると、もっと読んでいる作家の作品に迫ったり、映像制作にもいくようだ。また、7年生のある授業では、映像効果やスクリプト、衣装など、制作における役割分担をすすめている。分担をしながら1つの作品を作っていくやり方は、今回メンバーとして同行している前田先生@熊本に通ずるように感じた。このように、Robin先生は児童が興味をもつようななげかけ方を日々研究されている希有なカリキュラムコーディネータだ。残念ながら他校にはまだこのようなリソースマネージメントをやれる先生はなかなか存在しないという。

夜は同行メンバーとビュッフェスタイルのレストランで夕食。しかし、初日から強行スケジュールのため、早々に解散。ホテルに戻るとそのまま爆睡。
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2009年08月28日

ICOME20091日目(8/27)

今日から、ICOME(Internation Conference for Media in Education)という学会のため、ソウルに来ている。あいにくの小雨だったが、羽田からわずか2時間で金浦空港へ。昼過ぎにはホテルにチェックインできたので、締め切りぎりぎりの論文をしあげに4時半までねばる。それでもできていなかったが、学会にも参加しなくてはならないので、タクシーでソウル大学へ。ところが、学会会場の「Hoam Faculty House」がどこにあるのか、わからずに、大学構内をさまよい歩く。さまようと言っても金沢大学よりもはるかに広い敷地で途方にくれていたが、学生はみな親切で、おかげでたどりついた。水越先生の顔を見たときにはほっとした。少しだけ発表を聞いた後に、オープニングレセプション。ここで中橋君と電子黒板調査について少しだけ打ち合わせができる。村野井先生(茨城大学)とも別件の打ち合わせができる。終了後、来年度に向けての韓国メンバーとの打ち合わせに参加。親しくなれて良い機会をいただいた。帰りにはLee先生にホテルまで車で送っていただく。

写真は、宿泊しているホテルの部屋からの眺め(左)。一人部屋なのに、ベッドに枕が7個も!どうやって寝れと言うの??(右)。
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2009年08月29日

ソウル2日目(8/28)

朝から久保田先生との学会打ち合わせ。やるべきことは明確なのでがんばるのみだ。今日は、水越先生、中橋君、前田さん、清水さん、村井さんなどが発表。さすがに手慣れたものだ。
さて、今日は、いよいよラウンドテーブルで福田、布川、西崎、川原の4名の金沢大学の学生が発表。なんとなく私がドキドキ。ラウンドテーブルは、アジアを中心に学生が文字通り、テーブルを囲んで自分の興味・関心、研究について語り、意見交換する場。教授陣が鋭いつっこみや助言をするなど、学会として、未来の研究者を育てようという空気もあり、学生にとってはまたとない機会。これに出ない(出さない)手はない。今回はなかば強制的に金沢大学の実践支援センターの学生4名がエントリーとあいなった。英語がしゃべれるしゃべれないということ以前に、こういう場数をふむことは貴重な体験だと思う。
しかし、はじまってみると、4人ともよくがんばった。会場からもたくさんのすばらしい助言をもらっていた。なんと布川さんはラウンドテーブルのアワードを受賞。やった!!
ディナーレセプションの後、韓国運営スタッフと、打ち上げ。今日も英語づけ(泣)。金沢大学の学生は長崎大学の学生とコラボ。
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2010年03月15日

ヘルシンキに到着(3/14)

現地時間の15:30にヘルシンキに到着した。今回は、自分の科研でフィンランドの小学校国語科Viewing領域についての視察とインタビューを目的としている。4校の基礎学校(小学校)とヘルシンキ市メディアセンターやメディア教育協会などを訪問する。また、キーパーソンへのインタビューも予定。今回同行するとともにアレンジしてくれた研究分担者の北川達夫さんに感謝。前回は2月上旬に訪れたが、そのときに比べると、はるかに暖かい気がする。とはいうものの、マイナス3度だが。
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2010年03月16日

ヴァルティオキュラ基礎学校(3/15)

ヘルシンキ市東部にあるこの学校は、ごくごく普通の公立小学校。児童数380名、教員数25名、授業助手3名。重点教科は、算数と環境(日本でいうと、総合的な学習というよりは理科にあたるようだ)
Marianne Ropponen校長(写真1)が、ずっと対応してくれる。学校教育方針などについて、副校長をまじえて、説明してくれた後、3時間の授業を参観する。
まず、1年生の国語Viewingの授業。途中までは文章のみで、途中からは挿絵だけの教材文を読み、イメージをふくらませながら読み取っていく(写真2、3)。挿絵だけで言葉を紡いでいく学習活動は、日本の国語は1年生の最初に出てくる。しかし、段階的に何度もこういう形が出てくるようだ。教師のなげかけがHowやWhyが多く、子どもたちに意見をひっきりなしに求めていた。
2年生の授業は「キバプログラム」といういわゆる道徳のような授業。いじめに対するプログラムで、「1人や2人ではいじめは起こりにくいが、まわりにいる友だちの態度がいじめを増幅する」といったテーマ(写真4、5)。なかなか難しい。
給食をいただくこともできた(写真6)。ビュッフェ形式でラザニアと野菜サラダ。自分の食べれる分だけ自分でとる。牛乳は飲み放題。
そういえば、各教室には、天釣りのプロジェクターと実物投影機が配備されていた。画像を大うつしにするというオーソドックスな使い方だが、あたりまえに授業で使っていた(写真7)。また、この学校では、今は1台しか入っていないが(写真8)、ヘルシンキ市の2012年までに全校に電子黒板(プロジェクター投影型)を導入するという方針に先立って、来年度には全教室への電子黒板の配備を終わらせる、という。また、WSOI社という大手の教科書会社のデジタル教科書を活用していた。日本とちがうところは、Webにアクセスして使うようになっていること。また、一斉指導に使うだけでなく、児童が家に帰ってからも使う事ができる。年間児童一人あたり3ユーロを使用料として払っている、という。
ちょうど、校内を見てまわっていた時に、4年生の図工の授業に遭遇。木のペンケースを制作中だったが、電気ドリルなどをあたりまえに使っていてびっくり(写真9)。まるで日本の中学校の技術の授業みたいだった。
いろいろと話題になることの多いフィンランドの教育だが、特にこの学校では特別なことをやっている感じはなかった。しかし、教材研究や指導法の検討など、あたりまえのことをしっかりと地道にやっていることが、かえって目についた。

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2010年03月17日

フィンランド3日目(3/16)

ヘルシンキ市教育庁メディア・センター(Opetusviraston Mediakeskus)
メディア教育協会(Mediakastuksen seura)

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フィンランド4日目−1(3/17)

サカリマキ=オストロスンドム基礎学校(Sakarimaen ja Ostrosundomin ala-aste)

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フィンランド4日目−2(3/17)

ウラッタサーリ基礎学校(Lauttasaaren ala-aste)

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2010年05月11日

今年2度目の韓国訪問(5/10)

2月に続き、今年2度目の韓国訪問。今回は、韓国政府がすすめるデジタル教科書についての調査。モデル校でのデジタル教科書活用授業の参観と、開発者等とのディスカッション。

2010年05月13日

Jawoon小学校のデジタル教科書活用授業視察(5/11)

全校児童1406人、教員数65人のJawoon小学校のデジタル教科書活用授業を視察した。ここは政府が定めるモデル校の1校。対象は5年生以上の6クラス。児童は一人1台の環境でタブレットPCを活用する。政府からクラスごとに7300万ウォンの予算がこのためについている。デジタル教科書は、5年生用では国語、算数、社会、理科、英語、音楽、6年生用では国語、算数、社会、理科が用意されている。参観した授業は、5年生1クラス、6年生1クラス。ともに社会科で、5年生は人口集中問題の原因と結果について話し合ったり調べたりする授業。6年生は朝鮮の歴史についての授業だった。
今、日本では一斉授業に教師が提示用として活用することを想定してデジタル教科書は使われているが、韓国ではむしろ児童・生徒一人一人が活用することがメインにある。デジタル教材の更新がすぐにできるサーバの一元化や、あまり面倒な操作なしに児童全員の画面が黒板に映し出され、それを教師がとりあげて授業に使うなど、参考にすべきところも多かった。
12日は、デジタル教科書活用効果の調査を行ってきたHae-DeokSong教授や制作会社のPark JeongHo氏等とのディスカッション。とても有意義な時間になった。日本のデジタル教科書の活用の実態については、黒上さん(関西大学)と私がプレゼン。今後の共同研究の話も進みそうで良かった。調整してくれたクォン先生と黒上さんに感謝。
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2010年06月30日

トロントに到着(6/28)

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2010年07月01日

ED-Media2010(6/30)

トロントもあっという間に最終日。昼間は部屋にこもって原稿書き(泣)。
ED-Mediaに参加。内容的には今年はモバイル系の開発ものが多かった気がする。
今回は、「The Digital Teaching Materials are Utilized for the Science Education」というタイトルでの発表。村井さん@金沢星稜大も4回目ともなると、もう手慣れたもの。終了後、イタめしで打ち上げ。
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2010年10月10日

ヘルシンキに到着(10/9)

ヘルシンキはちょうど短い紅葉の季節。町中きれいだ。夕食でタルヤ先生と合流。前打ち合わせ。
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2010年10月11日

エストニアへ(10/10)

今日は日中時間があったので、ヘルシンキ対岸のエストニア(タリン)まで足をのばした。タリンまでは、高速船で1時間半。チケット購入のときにパスポートは提示するものの税関チェックも何もない。
やはりヘルシンキとは趣がだいぶちがう。中世ヨーロッパの雰囲気を今に残している。さすが「町ごと世界遺産」にふさわしい。今回も同行メンバーである北川(達夫)さんは、エストニアの日本大使館にも2年間いらっしゃったことがあるということで、タリンの町中にも大変詳しかったので、いろいろな情報も教えてもらいながらのぶらり歩き。ユーロも問題なく使える。
城壁の上にあるカフェで町をのぞみながら、ゆったりとした時間を過ごす。
夜は、共同研究者のタルヤ先生に加えて、今回授業者として協力いただくマルヤ先生と初対面。明日の授業の打ち合わせを行う。この時点で、日常的な学校や教師の動きや考え方についてのちがいがたくさん出て興味深かった。
今回の目的は、「日本とフィンランドにおける小学校国語科共通単元の開発と指導方略の評価」についての、小学校4年生国語科の新聞制作単元の指導案の開発と授業の実施だ。明日は朝から夕方まで授業(記録)とインタビュー。マルヤ先生のクラスには1日ずっと新聞制作の授業を行ってくれることに。タルヤ先生とともに、時間のやりくりや校内・保護者との調整など、本当にご尽力いただいた。
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2010年10月12日

新聞制作授業の実施とディスカッション(10/11)

とうとうヘルシンキは2度。寒いはずだ。
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小学校4年生国語科共同単元「新聞制作」の実施。朝8時前にマルヤ先生の教室に到着。8時からの1時間目から11:40の4時間目終了までびっちり4コマの国語科の授業となった。しかし、子どもたちも集中力をきらすことなく、授業に参加。マルヤ先生の子どもたち個々への対応はさすがに見事。
1時間目は、見出しのちがいや写真のみとり方について子どもたちへの理解を促す。それを受けて、2時間目以降に記事のテーマ決め、内容分担、書く作業へ。
給食後、2時間以上にわたってディスカッションを行う。文化や習慣のちがいはもちろんあるのだが、基本的には学級指導のやり方や価値観などには共通点が多い。むしろ、小学校1年生から説明文の理解や表現を行っている日本と、いたるところでViewingについて取り扱っているフィンランドのちがいが、授業の進め方や重点のちがいにあらわれることがわかった。11月頃に日本で授業の実施。この模様は、日本とフィンランドの研究メンバーで学会等において発表の予定。単なる学校訪問ではなく、1日中同じクラスに入り、決まった単元をもとにして授業のディスカッションできたことが大きい。日本側、フィンランド側双方で調整をつけてくれた北川さんとタルヤ先生に感謝。
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夜はお気に入りのレストラン「FishMarket」でシーフード。フレッシュオイスターをたらふく食べる。
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2010年11月19日

今年三度目の韓国へ(11/16、17)

教科書課(文部科学省)の委託調査研究「教科書の改善に関する調査研究」のメンバーとして、今年三度目の韓国へ。と言っても、自分の日程の都合上、なんと1泊だ。しかし、羽田ー金浦で朝一便で入り、次の日の最終便までまるまる2日調査に同行できた。へたに日本国内をまわるよりもずっと短時間で移動ができてしまう。KERISやKEdIはじめ、研究に関わった研究者へのインタビュー(中央大学、ソウル大学)、そして小学校での授業参観、授業者や子どもたちへのインタビューなど。電子黒板や情報端末、デジタルテキストブックだけでなく、従来の教材・教具を併用した授業を見せてもらったので、大変参考になった。また、今回は某所で、これまでの進め方に関する課題をきっちりまとめて示してくださったことがこれまで2回の訪問にはなかった収穫だ。訪問に対応してくださった関係者のみなさんや、同行の影戸さん(日本福祉大学)、正司さん(三菱総研)、キムさん(通訳)に感謝。

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